1980年劇場公開のエイリアンを初めて映画館で観たのは中学2年の時でした。

当時はただ、怖いだけの映画だと思っていました。

あいにく手元にDVDがなかったので長いこと忘れていました。

先日ブルーレイBOXが発売になったので鮮明な画質で再び鑑賞してみました。

随所に込められたテーマを掘り下げていくうちに、色々と興味深いことに私は気付きました。

古い映画ですが、風化させるには惜しい映画なので、あらすじを書いておきたいと思い、こうして筆を執ったわけです。

まず当時の予告編で映画エイリアンの雰囲気をお伝えし、あらすじを大まかに立ててみます。

つぎに、本編のあらすじに沿って印象的なシーンを解説するというスタイルで記事を構成したいと思います。

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映画エイリアン予告編

映画エイリアンの凍りつくような世界観をつかむには、映像を見るのが早いかなと思いましたので、Youtubeで探してみました。

絶界の宇宙の静寂の中、怯えた瞳で船内を逃げ惑う1人の女性リプリーを演じるのは、若き日のシガニー・ウィーヴァーです。

薄暗い船内に、はっきりと、リプリーの恐怖が映し出されているのです。

SFホラーの金字塔とも言うべき傑作で、一見の価値のある予告編のダイジェストです。

記事の本編に入る前に、一度見ておくのも良いかと思います。



映画エイリアンの「日本語吹替完全版」コレクターズ・ブルーレイBOXが2016年8月に発売になったばかりです。

映画エイリアンは、36年ぶりの一大ブームのようです。


映画の本編を観てないかたのために、以下にあらすじを書いておきます。

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映画エイリアンのあらすじ

簡単に流れを追っていきましょう。

西暦2122年、宇宙貨物船ノストロモ号は地球への帰還の途中でした。

未知の発信音を探知した宇宙船は、航路を迂回して惑星探査に降り立ちます。

そこには巨大な宇宙船の残骸と、繭に覆われた卵がありました。

突如卵が割れ、中から飛び出した甲殻類を思わせる異様な生命体が、1人の船員の顔に吸着します。

剥離しようとしますが、触手を切開すると強酸性の黄色い体液が流れ落ちます。

船員を宿主として、その異様な生命体は幼体を体内に送り込んでいたのでした。

突然、船員の胸を突き破って未知の生命体エイリアンが飛び出します。

航海士リプリーは、マザーコンピューターにアクセスし、航海の最優先課題が未知の生命体を地球に持ち帰ることだったと知ります。

エイリアンに次々と襲われる船員たち。

ノストロモ号の自爆装置を起動させたリプリーは、小型シャトルへと船内を逃げ惑います。

執拗にリプリーを追いかけるエイリアン。

絶体絶命のリプリーの運命は?

ざっとあらすじを観てまいりましたが、映画エイリアンのテーマとは一体何でしょう。

映画 エイリアン あらすじ

映画エイリアンのあらすじから見たメインテーマ

異質なものへの恐怖

人間から見て、エイリアンはあまりに異質です。

人間が道徳心と友愛、そして社会性を持っているのに対し、エイリアンにはそれが全くありません。


映画エイリアンのメインテーマは、異質なものへの凄まじい恐怖です。


エイリアンには生まれ持った攻撃性や残虐性が目立ちます。

卵生であり、宿主を利用して幼体を寄生させるので、エイリアンには母性愛は感じられません。


エイリアンは種を保存しようとしていますが、それは本能的なものです。


アンドロイドのアッシュの指摘通り、エイリアンは生存の為ならあらゆる攻撃性を発揮する「完璧な有機体」です。

種の保存を賭けた闘い

逆に、エイリアンから観ても、リプリーたち人間は「エイリアン」です。


映画のもう一つの隠れたテーマは、異質なものへの凄まじい攻撃性です。


エイリアンは宇宙船の墜落で、ある惑星に長期間留まっていました。

宇宙船の残骸がある以上、エイリアンは植民地を目指して長い旅をしたのです。


エイリアンは、種の保存をかけた闘いを人間に挑んでいます。

未知の世界で出会ったリプリーと、種族の存立を賭けて戦うのです。


エイリアンは残酷な生殖方法で個体を増やします。

他の生命を宿主として幼体を体内に送り込み、凶悪なウイルスさながらに、他の生命を破壊しつつ子孫を誕生させるのです。

映画の中では、エイリアンの生誕が執拗にまで描写されています。


この映画のテーマが、エイリアンが生き残るためには手段を選ばないこと、それが種の保存に由来することを表現したものだと分かるのです。


異質なものへの恐怖や攻撃性について見てきましたが、映画エイリアンのあらすじから見た恐ろしさは、一体何でしょうか。

映画 エイリアン あらすじ

映画エイリアンのあらすじから見る映画の恐ろしさ

原始的な恐怖心

ノストロモ号は貨物船であり、クルーも戦闘要員ではありません。

エイリアンと戦う際にも、原始的な火炎放射器しか持っていないのです。

これでは、石器時代の人間と変わりがありません。


映画エイリアンが恐ろしいのは、人間の原始的な恐怖心を呼び起こすからです。


異様な未知の生物相手に、クルーたちは、火だけで立ち向かおうとしているのです。

事実、最期に生き残ったリプリーは、エイリアンからいかに逃亡するかしか考えられなくなりますが、これは原始的な恐怖心だと言えます。

エイリアンの生殖法

エイリアンが異様な外観であることもさることながら、その特異な生殖方法が恐怖をかきたてるのです。


映画エイリアンが恐ろしいのは、エイリアンの特殊な生殖法にあります。


凄惨な方法で人間を殺害する点もホラー映画として重要な要素です。

加えて、エイリアンが個体を増やすために、他の生命体の犠牲を必要とすることこそ、この映画の恐怖に深く関わっている部分です。


分かりやすく言えば、エイリアンは「女王蜂」なのです。

蜂と同じく、個体数が増えれば、エイリアンの脅威は幾何級数的に増大します。


リプリーがエイリアンを防げない限り、エイリアンが地球に君臨して、地球そのものを乗っ取ってしまうはずです。

人類(観衆)の命運はリプリー1人に託されているし、エイリアン種族の命運は、異様な女王蜂に託されています。


映画エイリアンの恐ろしさを見たあとは、映画のあらすじから他の種族を滅ぼすことの善悪の問題について考えてみましょう。

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映画エイリアンのあらすじから見る人間の善悪

人類の歴史を見れば、人間も同様の方法で他の種族や生命を滅ぼしつつ、増殖してきました。

ですが、映画の設定では文明が十分に成熟した時代背景になっています。

リプリーを初めとする人間側は、もはや「攻撃性」を失っていて、エイリアンに対して最期まで友好な手立てが打てません。


人間には「善悪」の感情があるが故に、エイリアンから逃げ惑うしかないのです。


エイリアンが攻撃的なのは、繁殖するためには善悪は何ら関係がなく、ただ単に勝ち残るためだけに行動するからです。

道徳心のある人間側のほうが、エイリアンに比べて圧倒的に不利な立場にあると映画は主張しているのです。


劇中に登場する科学者アッシュとマザーコンピューターは、単なる機械ですから善悪の判断が出来ません。

アンドロイドのアッシュは、最期に人間の道徳心をあざ笑います。

事実アッシュは、エイリアンを持ち帰ることに異を唱えたリプリーを殺害しようとします。


エイリアンの脅威から生き残るためには、残酷である必要があると人間に問い直しているのです。


映画 エイリアン あらすじ

映画エイリアンのあらすじ!SFホラーの金字塔の戦慄すべきテーマ!のまとめ

増殖しようとするエイリアンの執拗な攻撃本能と、為すすべがなかった人間側の恐怖。

映画では克明なまでにエイリアン誕生の過程が描かれていました。

生存するために攻撃性をむき出しにしたエイリアンも、最期はリプリーによって封印されます。

種族の戦いは人間側が辛勝したに過ぎません。

リプリーとエイリアンの生存を賭けたぶつかり合いは、続編では一層激しさを増していくとお伝えして、今回の記事の結びとします。

最期まで読んでいただき、ありがとうございました。

はぐれ鳥

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